ベリーズ 2014/11/19 ベリーズ逃避行:花の町でのバトル編。 ベリーズ行ってケツァルテナンゴに戻ってきて、また一回り図太くなったニイナです。 体当たり感がますます激しくなっている気が(笑) さて、木曜の朝6:30の船でサンペドロからベリーズシティに戻るつもりが、のんびりしていてうっかり逃してしまったので次の船でバスに間に合うかの不安と戦いつつも、1時間後の次の船を待ちました。 私の地元のローカル線の電車や福岡の中心部から南に向かう西鉄電車ですら、急いで車両にダッシュしているとちょっと待ってくれることもある優しい電車なのですが(急いでいる他の乗客からすれば迷惑行為ですが。)、時間にルーズなラテンアメリカでもさすがに船の時間はキッチリしていて目の前で小舟が行ってしまった!くぅ〜! その1時間の間に朝ご飯を買いに通りをぶらぶら。 通りすがりのナンパしてきた人からカフェの場所を丁寧に教えてもらうも、現金が4ベリーズドルしかないので、そんな小洒落た所には入れません。 既に開いていてお客さんも何人か居る食堂に入り、開口一番いくらで朝ご飯メニューが食べれるかスペ語で聞く私(笑) どれだけおなか空かせた貧乏人と思われたのか、気にするのはやめました。。。 ちょうど良く3.5ベリーズドルでコーヒー付きのチキンとフリーホーレスのフライドジャック(ベリーズの定番朝ご飯。小麦粉のトルティーヤを揚げている割には軽くて食べやすい。)があったので、注文しました。 他のお客さん達から定番の質問3点セット「日本人か?何故スペ語が喋れるんだ?英語は喋れるか?」を受け、回答している間に出来上がり〜。 テイクアウト(だけは英語の「to go」でお願い)にしてもらって、熱々のコーヒーと共に船乗り場でいただきました。 もう日差しは暑い。このカリブの日差しと海とも今日でお別れかと思うと、何もする事がなくてもせめてもう一日滞在しようかしら、などと思いました。 が、7:30の船でベリーズシティに向かいました。 ちゃんとケツァルテナンゴに帰らなきゃ、そして勉強しなきゃ、と。 ご褒美とこれから頑張る為に過ごした休息は終わりです。 ベリーズシティ周辺の海は全然きれいじゃないです。それを見たらちゃんと現実に帰って来れました。 因みにベリーズシティとキーカーカー、サンペドロを経由して更にメキシコまで行ける船を運航しているのは2社あります。 私は行きがけにオープンの往復チケットを買った、ベリーズの入国の際にお世話になったおじさんが所属する船会社サンペドロベリーズエクスプレス社を使いました。 なので、ベリーズシティで船に乗ったのも降りたのもサンペドロ社の船着き場です。 もう一社はキーカーカーウォータータクシー社(以下キーカー社に略)です。 それぞれの会社が船以外にも、グアテマラのフローレスなどへ直行で行けるシャトルバスを運行しています。 私は行きがけにフローレスでベリーズシティまでのバスチケットを買った際に、バス会社のオフィスの外でたむろっていたおじさんから帰りのバスチケットとしてキーカー社のグアテマラシティまでのオープンチケットを買っていました。 窓口以外の客引き系おじさんから買う事は滅多にしないのですが、ベリーズ現地で帰りのチケットを買う時間があるかなど不安だったのと、値段は事前に調べていたものよりほんの少し安かったこと、領収証兼オープンチケットに会社名などがまともに印刷されていた事で、購入しました。 ベリーズシティからフローレスに行くシャトルバスは朝9:30の1本きりです。 と、いう訳でベリーズシティのサンペドロ社の船着き場に9:00に着いたらキーカー社の船着き場に行ってオープンチケットを今日の日付に書き換えてもらってバスの席を確保しなくては、ということで焦っていました。 船は予想通り9時5分前に到着し、そこから走って5分のキーカー社の船着き場兼チケット販売窓口へ向かいました。 チケット売り場は船のチケットのみ取り扱っているらしく、バスチケットは同じ建物内の売店で購入する模様です。 売店のお姉さんに行きに買った手書きの領収書を見せながら「オープンチケットを持っているけど今日の9:30の便に乗れるか?」と聞いたところ、「乗れるわよ、そこにいるオージーも同じバスを待ってるから一緒に10時まで待ってたら良いわ」と。 どうやら9:30は集合時間で10:00が出発時間らしく、チケットもフローレスまではオープンのままでいいらしい。 良かった〜。とホッとしつつも10時近くになってもどこでどのバスに乗るのか不明だったのでソワソワしていると、バスの運転手さんが来て、いくぞー、と。 キーカー社の目の前が各社共通のシャトルバス発着所みたいです。 同じバスには先日のブルーホールツアーで一緒にシュノーケリング隊に属したイスラエル人の女の子2人組が偶然乗っていました。 他に一緒にキーカー社でバス待ちをしていたオージーカップルと、日本人っぽいバックパッカーの女の子が一人、イスラエル人の20代前半の男の子2人組、私を含めて計8人の乗客でワゴン車のシャトルバスは発車しました。 出発してすぐにイスラエル人の男の子(のかっこいい方)が、「君可愛いね!一人で旅してるの?やった!僕にもチャンスがあるね!」とスペ語で言ってきたのですが英語は話せない様で、英語が喋れない者同士の妙な親近感がわきました(笑) しかしな。君達多分、私より一回りは若いからね。 ケツァルテナンゴに戻ってイスラエル国籍のアメリカ人のルームメイトにこの話をした所、イスラエルは兵役を終えた21歳くらいの男の子達がよく旅行をするのだとか。 そしてイスラエルでは英語をみんな話せるわけではない、とも。 私は今までイスラエルに兵役がある事も、ヘブライ語を話す事も何も知りませんでした。 旅に出てこうやって行った事の無い所の知識や興味を持つ事が増えていく。 こういうのがあるから旅って大変だけど、たまに行きたくなるんですね。 さて、帰りの国境は楽なものです。 ベリーズ出国税で19アメリカドルを払い、ベリーズでは何日間の滞在だったか、とグアテマラ側では滞在目的を聞かれただけで終了です。 また荷物は何一つチェックせんけど、この辺の国って大丈夫なんかな。。。 ベリーズ入国でお世話になったおじさんに挨拶したかったけど、入国側に行くのも面倒なので断念。こんなゆるい所だけど一応国境なのでね、余計な動きをしてグアテマラに戻れないなど面倒な事になりたくなかったので。 ここで同じバスのバックパッカーの女の子が、赤いパスポートを持っていたのでやっぱり日本人だ、と確信を得て、どういうルートなんですか〜?などなど会話していたら、みんな無事にイミグレを通過したみたいで、バスは再びフローレスに向けて出発しました。 フローレスに入る直前で、行きがけにチケットを買ったおじさん(以下エンリケ)がバスに乗り込んできて、各乗客にフローレスから各都市に向かうチケットの売り込みをしました。 私にすぐに気付き、「君はフローレスからグアテマラシティまでの分のオープンチケットを今日の夜の便に書き換えるから、チケットを俺に渡せ」と言ってきました。 でもチケットは領収証を兼ねているので、手放してしまう訳にも行かずまごまごしていると「バスがフローレスに着いたらうちの事務所に行ってそこでチケットを書き換えよう」と言ってきました。 そうね、と言っている間にバスはフローレスに到着。 イスラエル人のイケメンはいろいろ声をかけてきた割には、バスから降りるとすぐにホテル探しの為にサラッと離れて行ったのがちょっと残念です。30代の一瞬のドキドキを返せ(笑) エンリケの事務所に居たお兄さんに荷物を預けてグアテマラシティまでのバスの席を確保してもらおうとしたら、彼は「まだいいよ」と。エンリケ居ないし。 そんなものか、と思って夜のバスの出発時刻と集合時間を確認してフローレスの街散歩に出かけました。 フローレスという所は大きなペテン・イツァ湖に浮かんだ小さなフローレス島と、そこから橋一本で繋がったサンタエレーナ地区を全部ひっくるめてフローレスと言います。 フローレス島はゆっくり歩いて30分で一周出来るくらいの規模で、ホテルやバーなどが多くあるリゾート地区です。バス乗り場や市場などはサンタエレーナ地区にあり、橋も歩いて10分もかからずに渡れる距離です。 暑いため季節感が無い市庁舎の広場にあるクリスマスツリー 後述のトゥクトゥクが橋をひっきりなしに渡っています。 フローレス島から橋を渡ってすぐの小ぎれいなショッピングモールでグアテマラケツァールの現金を下ろしてお昼ご飯。 モールの中のフードコートやミニレストランはほとんど閉まっていたり、開いていてもメニューが限られていたりしたので、敷地内にあるチキンのファーストフードのお店へ。 お隣にはバーガーキングもありました。 そうそう、グアテマラではファーストフードは贅沢食です。 最近は日本やアメリカでもマックのセット(コンボ)は安くはないですが、それでもやっぱりファーストフードらしい立ち位置をキープしていると思います。 学校の先生によるとグアテマラではファーストフード(特にマック)は「今日は給料日だから家族で食事に行こう!」の場所らしいです。 価格も高くて例えばそんじょそこらの屋台でボリューミーな3個入りタコスを150円、食堂で普通レベルのお昼ご飯を300円で食べれるのに対して、この日のチキンのファーストフード店(いろんな所で郊外店をよく見る)は単品メニューが750円位から。マックでいうハンバーガーが2個みたいなちょっとしたセットだとなんとびっくり1500円くらいから。 そしてファーストフード店なのに、お店に入ったらカウンターではなく席に案内され注文もお会計も全て席で済ませました。こうなると味と雰囲気がファミレスのレストランです。 まぁ、私がグアテマラに居る間にファーストフードを食べにいく事はもう二度とないだろうなぁ。 その後またのんびりフローレス島に戻り、湖に飛び込んで遊ぶ地元の少年達や、夕日を眺めながらぶらぶらしました。 どこかジブリっぽい建物多数。 夜のバスはグアテマラシティのどこに着くか知りたかったので、どのバス会社が運行するのか尋ねようと、再度エンリケの事務所へ。 エンリケは居なかったので、先ほどのお兄さんにバス会社の名前を確認し、再度「私が持っているのはオープンチケットだけど、今日のバスに乗れるの?座席番号は何番?」と聞きましたが、OKだ、と。 まぁ、いいか。バス会社も分かった所でエンリケ事務所のすぐ近くのレストランバーへ。 ネットをいじりながら時間をつぶし、アメリカのセドナ以来2ヶ月ぶりくらいにお店でのパスタ(なぜか大量に生のニンニク入りなのが残念)を食べて出ようとした所で、隣の席のスペイン人の一家に日本人か?と呼び止められました。 60代とおぼしきご夫婦も30代中盤に見える息子さんも揃って日本が大好きらしく、東京と京都に旅行に行ったこともあるそうな。 質問3点セットに答えたら、息子さんが「グアテマラで勉強するなんていいね!僕は明日グアテマラ人の女性と結婚式を挙げるんだ!」と。 おぉ〜!なんとおめでたい!ご本人にもご両親にも¡Felicidades!(おめでとう)をたくさん言ってお店を後にしました。 22:00にサンタエレーナを出発するFuente del Norte社の1等クラスで、エンリケ事務所に21:00集合だったので20:30過ぎにエンリケ事務所へ。 日本人女性二人組が楽しそうにお話ししていたので混ぜてもらうと、なんとお一方は福岡出身。和みました(笑)お二人とも長く旅行されていて、グアテマラのサンペドロという街に戻る途中だそうです。 彼女達はエンリケからチケット購入の時にお金をボラれかけたらしい。ほほぅ。やっぱりなぁ、エンリケなんか狡い顔してるもん。 その後、エンリケが来て何故か彼女達だけタクシーに乗せられてバス乗り場へ。 ここでタクシーっていうのも何だか怪しい。だって普通に大きな地元の旅行会社でチケット買ったらバス乗り場までの送迎が付いているはず。(行きのツアー会社はそうだった) 一人取り残された私にエンリケはいきなり言いました。 「君は今日バスに乗ってグアテマラシティに行きたいならあと100ケツァール(約1500円)払わないといけない」 ・・・来たー!!エンリケ商法!私は冷静になんで?と返しました。 彼はそれを無視してバス会社に電話をし、35という数字をメモしました。 その後突然怒って(る演技で)「君がさっさとオープンチケットを渡さないからだろう!もうオープンチケットで今日の座席は取れない!明日の朝出発するバスに乗るしかない!だがどうしても今日のバスに乗りたいなら他のバス会社のチケットに振り替える。その会社のバスなら運良く席が取れた!でも変更料に100ケツ払え!」と言いました。 私は冷静に、かつ怒りオーラ全開で事務所のデスクを指でコンコン叩きながら 「何で?私は何度も彼(オフィスに居たお兄さん)に換えなくていいのか?って言った。そうしたらこのままでいいって言ったのは彼だよ。他のバス会社ってどこ?ここで換える必要は無い。私が自分自身でバス乗り場のカウンターに行くから。ついでにあなたの名前は?ツーリストポリスはどこ?バス乗り場の近くならそこにも行くし。」とスペ語で一気に、いえ、途中に舌打ちとshit!を挟みながら言いました。 エンリケはわかりやすく、ぐぐぐっと悔しそうになるも、私が英語が出来ないのを見破ったのか「英語で言うぞ!」と反撃してきました。 涼しい顔で「どうぞ」と英語で返す私。ざまあみろ!中1英語の最初の10ページくらいはまだ頭に留まってんだぞ!聞き取りだけなら中2くらいまではな! その後もう一回同じ内容を英語で言われて、即座にスペ語で同じ事を返し、外に出て事務所の写真をバシバシ撮り始めました。(証拠写真撮ってるからな、的アピールです。) そうしてようやく彼は100ケツを諦めたようです。 でも私に直接バス会社にカウンターに行かれて(おそらくバス会社から彼に払われるであろう)チケット代理販売手数料までフイにするのは避けたかった様で「今すぐバス乗り場に行かないと乗れないんだからな!このタクシーに乗れ!」と言ってきました。 おそらくタクシーからも斡旋料を取るはずだし。 その時点で21:15くらい。 他のトゥクトゥクタクシー(3輪のバイクタクシー:10ケツでバス乗り場に行ける)を掴まえるか、もしタクシーが無くても道は分かるのでダッシュでバス乗り場まで行けばギリ間に合うか?と考え、一人夜道を行こうとすると(でも本当は怖い)エンリケは引き止めてきます。 「だからもういいって。自分で行くから」がスペ語と英語で半分ずつしか言えないのが悔しい。 それでも彼には本当に私がポリスに駆け込もうとしていると思わせるには充分だったようで、何度も「俺はちゃんと助けを出したからな!これで最後だ!もうこの後バスに乗れなくても知らないからな!」としつこく自分が呼んだタクシーに乗せようとします。 そのやりとりのせいで時間がかかり、もうこれじゃそのタクシーに乗った方が早いな、と10ケツのトゥクトゥクは諦めてそのエンリケが呼んだタクシーに乗り込みました。くぅ!25ケツとは言えなんか負けたみたいで悔しい。 そして彼は一緒にタクシーに乗り込み、私が最後まで持っていたオープンのチケットを奪い取り、35、と書かれたチケットを渡してきました。そう、彼が「違うバス会社に電話したら運良く取れた」座席番号です。 ・・・バス会社変わって無いじゃん。つまりこいつは最初から座席を確保した上で、あの面倒くさいやり取りをやってきたわけです。 稚拙と言うか何と言うか。。。しかし久々に狡い人に会いました。 いやぁ、世界のいろんな所でいろんな小銭の稼ぎ方に出会ったけどみんな大概かわいいもんですし、もしかしたらお金をちょっと多くせしめる事が出来るかも、くらいのスタンスでやってるように見えるのですが、エンリケは最初から人を騙して(の割りに演技が下手)稼ごう!というスタンスが、久々に会った本当に狡い人間だな、と。 しかもあんたの名前は?の問いに対して「・・・マリオ」とかまた分かりやすい嘘をつくし(笑) エンリケ、狡く稼ぐならもうちょっといろんなことに気をまわした方がいいと思うよ! その後バス乗り場で再会した日本人女性二人組とエンリケの狡さについて語り、無事にFuente del Norte社のバスの35番座席に着席した所で、22:00から15分程遅れてバスは出発しました。 座席数に余裕があり、私の隣には誰も来なかったのを幸いにゴロンと横になり、グアテマラシティへ向かったのでした。 [2回]PR